キャンドルナイト茶会。

2013.8.24

言葉もないです。。

8月2日に開催されたタテマチ大学特別出張授業/ナイトミュージアム2013/茶道家 奈良宗久先生によるキャンドルナイト茶会のレポートです。

 

開催場所は贅沢にも「旧中村邸」です。

建物も庭も、これぞと言わんばかりに雰囲気を醸し出していました。

耳を澄ますとセミの音とともになにやら水流の音も。

開始時間が近づくとともに、浴衣女子も増えてきました。

茶室の準備も着々と進んでいます。

掛物にはこの時期にぴったりの「氷室」の文字。

そもそも今回のナイトキャンドル茶会とは奇を狙ったものではなく、古来からある秋の夜長を楽しむためのお茶文化のひとつです。

キャンドルも西洋ろうそくではなく、じっくりと手作りされた和蝋燭です。

和蝋燭はススが少なく灯りが強い特徴があります。また、ゆらゆらとゆらめく炎は幽玄を楽しませてくれます。

 

今回の茶会で使用する和蝋燭はわずか2本。

いよいよ、開演です。

時間とともに別室に待機していた参加者が茶室に移動します。

茶室の扉を開いた途端、、

音もなく、ただしずかに和蝋燭に照らされた茶室が迎えてくれます。

私自身お茶席が初めてだったのですが、緊張の中にもどことなく、妙に落ち着く懐かしさを感じました。

しずかに、茶会が始まります。

まず、続々と茶菓子が運ばれます。

今回の茶菓子は「夏小立」。

 

亭主のお点前も始まります。

正直、私まったくの初心者のため何をどうしていいかわからずドキドキしっぱなしです。

そこで、奈良先生からお作法を教えてもらいました。

そもそも茶事のお作法は「もてなす」という考え方があります。

お招きいただいた亭主、同席する方にもおもてなしと敬いのこころをもって

「お菓子をちょうだいします」と亭主にお礼をし、次のお客様に対し「お先に頂戴します」とお辞儀をしながら挨拶します。

また、お茶をいただくときも亭主に対し「お点前頂戴します」という挨拶とともにお茶碗を左手にもち右手を添えて頂きます。

頂くときも右手で手間に二度茶碗をまわし、しずかに頂きます。

最後の一口は音をたてて頂きます。その音を聞き亭主は「お茶に満足してくれた」と胸をなでおろすそうです。

頂いたお茶は飲みくちを人差し指と親指で清め、懐紙で清めます。

※言葉や作法については一例として紹介しました。

古来、電気もない時代。

和蝋燭は貴重で高価なものでした。

字のごとく「目を凝らし」薄暗い中で頂くお茶と茶菓子は、普段よりも嗅覚も味覚も敏感で美味しく感じました。

聞けば、夜噺などのろうそくを使った茶会がきっかけで茶道に興味を持つ人も増えているとか。

日本人として生まれながらに、日本の文化にあまり触れていなかった自分が少し恥ずかしくもありました。しかし、体験していくなかでどことなく落ち着く空気感は忘れられません。

奈良先生、貴重な体験をさせてくれてありがとうございました!

 

お座敷遊びは、楽しかった!

2013.8.19

え、こんなに激しいの?!

と思いきやうっとり見惚れたり。

 

7月26日(金)に安江金箔工芸館で開催された、

タテマチ大学特別出張授業/金沢ナイトミュージアム2013。

夜の金沢を楽しんでもらうというコンセプトで、タテマチ大学も参加しております。

満員御礼でむかえた今宵は金沢の伝統文化「お座敷遊び」を体験しちゃいましょう!ということで、

主計町の「一葉(ひとは)」芸妓の笑弥さん、「まゆ月」女将のまゆさん、「仲乃家(なかのや)」芸妓のきみ代さんの3名にお越しいただきました。

 

 

開始早々、三味線が館内に響きます。

長唄「岸の柳」にあわせて笑弥さんが舞います。

 

 

つづいて太鼓と三味線、長唄。

 

お座敷文化のなかでも、大太鼓と小太鼓ふたつを使っているのは金沢だけだそうです。

なぜかこころがおちつく音色と唄に、みなさん聞きいっていました。

 

演目が終わり、笑弥さんがいきなり襷(たすき)をかけはじめます。

次の演目がはじまり「何故たすき?」と思いながら聞いていると…

 

めちゃくちゃ激しく太鼓を叩きはじめました!

しかもふたりで。

 

え!?こんなに激しいの!?

と思いながらお話を聞くと通常は殿方と芸妓さんがいっしょに太鼓を叩き、叩く速さを競いながら遊ぶそうです。

 

 

お座敷遊びのひとつ「太鼓遊び」のはじまりでした。

「どなたか、やってみたい人いますか?」の問に、

続々と手が上がります。

 

トントン・テケテン。

笑弥さんがやさしく太鼓の叩き方を教えてくれます。

リズムが合ってきたところに、長唄がはいります。

 

昔も今も、お座敷ではこのように遊ぶそうです。

 

次は「おまわり(じゃんけん)」あそび。

 

ただのじゃんけんではありません。

「よいやさ!」の掛け声とともに、じゃんけんします。

勝ったほうが太鼓を叩き、負けた方はその場でくるりと回ります。

それで「おまわり」という名称なんですね。

 

3回連続で勝ったら勝利になるのですが、これがまた激しい。

どんどんスピードが上がります。

「よいやさ!」くるり。

「よいやさ!」くるり。

お酒飲んで、そんなにくるくる回ったら酔っ払っちゃいますって!!

 

今回はお酒無しなので大丈夫でしたが、

実際の宴席ではすごそうです。

 

じゃんけん遊びも大盛り上がり、拍手喝采でした。

 

お座敷遊び体験のあとは、笑弥さんにいろいろ聞いちゃいました。

 

そもそもですが、芸妓さんってどうやったらなれるのかわかりますか?

実は金沢の場合、特別な決まりや試験などはありません。

ただし「芸」をみがくためのお稽古はとても大変なんだそうです。

やはり、日々精進なんですね。

 

お座敷の多くは「一見さんお断り」という文化があります。

これは花代(代金)の支払いがツケ払いなので、身元の信用できる方以外はお断りということになるのです。

 

花代って…いったいいくらになるのでしょう。

ものすごく知りたいですが「花街でお金の話をすることは野暮」という文化があるそうなので、聞けませんでした(汗

 

しかし、金沢の料亭では「芸妓コース」というメニューもあるそうなので調べてみてください。

この場合一見さんでも料亭の紹介ということになるのでお座敷遊び可能だそうです。

 

最後はみなさまと記念写真。

 

お座敷遊びは想像以上に面白く激しい遊びでしたが、

どことなくこころが落ち着く伝統文化でもありました。

 

お大尽さまもこうやって遊んでいたかと思うと、面白いです。

やはり何事も体験ですね。

きみ代さん、まゆさん、笑弥さん、貴重な体験をさせていただき、

本当にありがとございました!

認知心理学ハカセに教わる、デザインの世界。

2013.7.15

6月28日、「認知心理学ハカセ!なんでボクらはいいデザインのモノに魅かれるの?」が開催されました。

 

金沢美術工芸大学 美術工芸学部 准教授である荷方 邦夫先生をお招きし、私たちの心とデザインの結びつきについて教えていただきました。

 

まず、そもそもデザインって何?ということを先生に説明していただきました。

世の中には、色んなデザインがあります。

デザインとは、人間の手によって作られた人工物(Artifact)。

つまり、クルマや文房具、建築物、そして、法律や言語までも、デザインである言えるのだそうです。

 

ここで、いきなり先生からお題が出題されます。

「みなさんのおうちのトイレの絵を描いてください」

突然の質問に困惑気味の皆さん・・・

トイレの絵なんて描いてなにが分かるのでしょうか?

戸惑いながらも、みなさん思い思いにご自分のお家のトイレの絵を描いてくれました。

一口に「トイレ」と言っても、その家々によって、結構違うものです。

トイレットペーパーが積んであったり、お花が飾ってあったり、窓があったり、・・・中にはぬいぐるみを飾っていらっしゃる方も!

たった一畳あるかないかの狭い空間を少しでも楽しく、少しでも便利に、少しでも豊かに、みなさんそれぞれ工夫されています。

「人が生きていく中で、目の前にある世界を何らかの目的をもって手を加え、変化させること」、それがデザインなのだと先生はおっしゃいます。

つまり、私たちはみな、1人のデザイナーであると言えるのです!

なんだかそう言われると、デザインがものすごく身近なものに感じられます。

また、このようにかわいくデコったり、カスタマイズすることを『デザイン行動』と呼ぶそうです。

 

そして先生はお酒の瓶を例に挙げ、もっとデザインについてお話してくださいました。

お酒の瓶は、いかにそのお酒の世界を味わってもらえるか、これを工夫してそれぞれの持ち味を引き出しているのだそうです。

 

人間は、本能的に美しい色や、曲線に魅力を感じるのだそうです。

これを『本能レベルのデザイン』と呼ぶそうです。

お酒の瓶はまさに本能レベルのデザインと呼べます。

 

また、使いやすさ、機能性、分かりやすさを重視して作られたもの、手を加えられたものを『行動レベルのデザイン』と呼ぶそうです。

さきほどの、トイレの例がそれに当たりそうですね。

 

さらに、デザインにはもうひとつ種類があるそうです。

先生はおもむろに古びたパソコンを手に取り説明してくださいました。

こちらのパソコンは、先生が初めて購入したパソコンで、とても古い型のパソコンなのだそうです。

今では、全く使い物にならないようです。

このパソコンは発売当時、非常に値がはり、そのころまだ学生だった先生は、自分のお金だけで買うことができなかったそうです。

そこで、ご両親に頼み込んで、お金をだしてもらったそうです。

このパソコンをあまりに気に入られた先生は、常にこのパソコンをリュックサックに入れて持ち歩いていたそうです。

きっと、当時はパソコンを持っているというだけで、周りの人にうらやましがられたり、かっこ良く思われたりしていたのでしょうね。

そして、リュックサックに入れて常に行動を共にしていた先生は、相当な思い入れをこのパソコンに抱いていらしたのでしょう。

 

このように、機能ではなく、そのものに対する、「意味」や「記憶」、「思い入れ」などを感じるものを、『内省レベルのデザイン』と呼ぶそうです。

これは、人と人、人とモノの間に生まれるストーリー性によるものなのです。

 

私たちの身の回りにあるたくさんのデザイン。

なにげなく見てきたそのたくさんのデザインされたものにも、いろんな種類があるようです。

身の回りのものを見る時に、これはどういうデザインなんだろう?という風に見てみると、より楽しくデザインを手に取ることができるかもしれませんね?

 

 

こんな風にデザインと私たちのくらしの結びつきを教えていただいた荷方先生、

本当にありがとうございました!!